[SGH]国連WFP元アジア地域局長・忍足謙朗氏との意見交換会を行いました。~国際探究Ⅰ~
今回の高1国際探究Ⅰ「教養講座Ⅱ」では、長年、途上国や紛争地域などでの食糧支援の現場で活躍されてきた、国連WFP(世界食糧計画)元アジア地域局長、忍足謙朗(おしだりけんろう)先生をお招きし、世界の食糧問題の実態について学びました。
本校では昨年度、高1生18名が、国際探究Ⅰの海外フィールドワークとしてタイを訪れました。その際、バンコクの国連WFPのアジア事務所を訪問し、世界を取り巻く飢餓の深刻さと、WFPの行う食糧支援活動について学びました。
そして彼らは、高校生である自分たちにも何かできることはないか、もっと世界の飢餓の実態を広く知ってもらう方法はないか、と考えたのです。
今回の講座は、そうした先輩たちの思いから実現したものです。
講座の開催に先立ち、5月31日(木)には、高校1年生全員が、忍足謙朗先生が出演したテレビ番組(TBS『情熱大陸』、NHK『プロフェッショナル ―仕事の流儀―』)を視聴しました。
スクリーンに映し出される、飢餓に苦しむ人々の実態や、WFPの支援活動、そして紛争や災害地域でも危険を顧みず、さまざまな国籍のスタッフを率いて活躍する忍足さんのリーダーシップに、皆、メモを取りながら食い入るように見入っていました。
そして、6月7日(木)の教養講座Ⅱでは、忍足先生を本校に迎えて意見交換会を実施しました。
中等部や高校3年生の参加希望者も交じえ、生徒からは質問が途切れなく出されました。
危険も伴う食糧支援の現場で、飢餓と戦ってきた先生の生の声に、応答を聞く生徒たちの表情も真剣そのものです。
「世界の人口の9人に1人、約8億人は食べるものがない状態にあります。」
「世界全体では食糧生産は足りているのです。でも彼らは食べられません。」
「原因は何だと思いますか。貧困です。そして、さらに紛争や災害が追い打ちをかけるのです。」
「子どもの状態はより深刻です。1000日という数字を知っていますか。赤ちゃんが2歳になるまでの1000日間に栄養不足になると、発育が阻害され、取り戻すことができません。これはその国の将来を揺るがす問題です。」
ひとつひとつの言葉が胸に残ります。
「この世界は、不平等だな、と思います。こうした世界の現状に関心を持ってほしい。遠い、知らない世界で起こっていることだと思うのではなく、今まさにこの地球上で起こっていること。そうした世界を、”知る”ということから始めてください。」
食糧支援の最前線でお仕事をされてきた先生のお話を聞いて、世界の食糧問題の現状と、解決に向けた国際的な取り組みについて、理解を深めることができました。
講座終了後には、授業で参加できなかった高校2年生や、駆けつけた卒業生らも先生のもとに詰めかけ、質問を重ねていました。
たくさんの質問にも、ひとつひとつ丁寧に答えてくださった忍足先生、本当にありがとうございました。
今回の講座で、世界の食糧問題についてさらに関心を深めた生徒たちは、この後、6/24(日)に、JR秋田駅の東西連絡通路「ぽぽろーど」において、国連WFPの食糧支援への協力として、募金ボランティアの活動を行います。
詳細は後ほど改めてお知らせいたしますが、このホームページをご覧の皆さまにもご協力いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。