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  • 探究活動部

高2学術探究コース アカデミックツアーに行ってきました。

7月14日(金)〜16日(日)、高校・学術探究コースの2年生が、アカデミックツアーとして、つくば市・東京2泊3日の研修旅行に行ってきました。


このツアーは、最先端の科学技術などを扱う研究機関や、グローバル企業・国際機関、大学などを訪問して、視野を広げ、探究活動に関して幅広い知見を得るとともに、将来の大学での学びや研究について考えを深めることを目的としたものです。

令和2年度に学術探究コースができて以来、コース独自の目玉行事として企画してきたものでしたが、コロナ禍の中で実現できずにいたものでした。今年度、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う制限緩和によって、学術探究コース設置以来、初めて実施することができました。


今回のツアーは、全行程、貸切バスでの移動となりました。


初日はお昼頃に学校を出発。途中サービスエリアでの休憩や夕食を含めて、およそ8時間のバス移動です。

参加した生徒たちは、長いバスの時間も、自分たちでクイズやゲームなどを企画して、楽しんでいました。



つくば市内のホテルに到着したのは午後8時過ぎでした。明日からいよいよ研修開始です。


翌朝は、研究学園都市・つくば市内の研究機関の見学からスタートしました。

最初は2班に分かれて、JAXA筑波宇宙センターと、産総研サイエンス・スクエアつくばを交替で訪問しました。


JAXAでは、巨大なH-Ⅱロケットの実機が出迎えてくれました。


広大な敷地をバスで周りながら、宇宙飛行士の養成施設や、国際宇宙ステーションISS日本実験棟「きぼう」の運用管制室などを見学しました。遠い宇宙のISSと、実際にJAXAの職員が交信しながら働いている場面に、生徒たちは感銘を受けたようでした。(管制室見学は、一切の撮影・録音機器の持ち込みが禁止されているため、残念ながら写真はありません)




サイエンス・スクエアでは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所で進められている、産業や社会に役立つ最先端技術の成果が展示されています。

これらの技術の多くは、ベンチャー企業など産業界との連携によって、急速に実用化が進められているものも多くあり、生徒たちは見たことのない最新の技術の数々に目を輝かせていました。




そのあとは2班が合流して、つくば駅前広場で昼食をとりました。

グループごとに、事前に調べていたお店を訪れ、思い思いの食事を楽しみました。


午後の訪問地は、国土地理院「地図と測量の科学館」。


巨大な3D地形図や、航空測量に使用する航空機「くにかぜ」のほか、伊能忠敬の測量図、大航海時代に製作された地球儀などの様々な展示がありました。




施設見学のあとは、卒業生たちと合流しました。


彼らは秋田南GSO(Graduate Support Organization)のメンバー。平成29年度の卒業生(文部科学省SGH指定校の1期生)たちが自主的に立ち上げた、本校生徒の探究活動や進路について支援することを目的とした団体です。以後、毎年多くの卒業生たちが参加し、現在では100名以上がGSOに登録して、探究活動の講座講師や成果発表の審査員のほか、進路のサポートなどをしてくれています。


今回のツアーでは、このGSOメンバーの先輩たちとの交流も行いました。

参加してくれたのは、以下の先輩方。


南條佑佳さん(54期・早稲田大学卒)

原田雄生さん(54期・DePauw Univ.卒)

小山杏奈さん(57期・筑波大学3年)

佐々木直哉さん(58期・東京大学2年)

仲谷杏太さん(58期・東京大学2年)

下田楓大さん(58期・東京大学2年)

笛木悠慎さん(58期・千葉大学1年)

細川英佳さん(59期・東京大学1年)

戸沢周真さん(59期・筑波大学1年)


※原田さんは当日、事情により欠席となったため、急遽、戸沢さんが参加してくれました。



8名の先輩方と合流後、筑波大学に進学した小山さんと戸沢さんの案内で、筑波大学のキャンパスを見学しました。

あまりに広大な敷地のため、バスの車窓からの見学でしたが、自然豊かなキャンパスの風景と、小山さんたち先輩方の楽しいガイドで、大学での豊かな学びや学生生活のイメージをもつことができたようです。



そしてホテルに戻り、GSOの先輩方との懇談会。


3グループに分かれて、大学での学びや、その先の進路などについて、先輩方からお話をいただきながら懇談を行いました。

生徒たちからはさまざまな質問が出て、同じ南高校で学んだ先輩たちは、親身になってアドバイスしてくれました。




夕食は先輩方も一緒に。フレンドリーな先輩たちとの食事は、大いに盛り上がりました。



その後も先輩たちはフリートークの時間を作ってくれて、夢中で取り組んでいる大学での研究内容や、面白い授業や教授の話のほか、サークル活動やアルバイトなど、さまざまな話題について語ってくれました。

同じ学術探究コース出身の先輩方からは、探究活動の進め方のアドバイスもあり、生徒たちにとって、非常に心強い助言となったようです。



楽しい時間はあっという間に過ぎて、夜9時過ぎまで話し込んでいました。


これらの時間を通して生徒たちは、夢に向かって努力を続けている先輩方の姿に憧れを抱くとともに、自身の高校生活や今後についても考えを深めることができたようでした。



そして最終日は、先輩たちと一緒に東京大学本郷キャンパスの見学です。

東京では、さらに2名のGSOメンバーが合流。

菊地まゆかさん(58期・慶應義塾大学1年)と斎藤琉那さん(58期・東北大学2年)です。


下田さんを中心とした現役東大生4名の皆さんの案内で、本郷キャンパスを見学しました。


まずは有名な赤門を見学。(残念ながら現在、耐震調査作業のため閉門中でした)


正門からキャンパス内へ。(※よく間違えられますが、赤門は正門ではありません)


この日の東京は、最高気温38度の猛暑!

体験したことのない暑さに、大量の汗をかきながら、しかし元気に、広大なキャンパスを歩きます。



歴史と格式のある建築と、最先端技術を備えた近代的な建物の融合。そして木漏れ日の美しい街路樹や大きな三四郎池など、自然あふれる光景に、生徒たちは驚きと憧れを感じていたようです。



昼食は、地下の学生食堂でいただきました。

安くて美味しいと、好評でした。



最後は安田講堂の前で記念撮影。


ここで、GSOの先輩方とはお別れです。

素晴らしい時間を提供してくれた先輩の皆さま、本当にありがとうございました。


そして、計画ではこの後は、情報経営イノベーション専門職大学(iU)を訪問し、起業家教員の方のワークショップ型体験授業に参加する予定でしたが、前日から秋田県を襲った豪雨災害の影響で、予定を切り上げ、ここで秋田に戻ることになりました。


一路、バスは秋田へ。

新幹線は全面運休とのことで、雨による交通障害等も心配されましたが、特に支障もなく、途中サービスエリアでの夕食をとりながら、夜9時過ぎ、無事に秋田に到着しました。


最終日の予定変更は残念でしたが、3日間のツアーを通して一切トラブルもなく、生徒たちもスムーズにツアーを楽しんでくれました。

この経験は、参加した生徒たちに大きな刺激と成長を与えてくれたことと思います。


ツアー実施にあたり、生徒の参加にご協力いただいた保護者の皆様をはじめ、ご尽力いただいた皆さまに感謝申し上げます。

誠にありがとうございました。




参加した生徒たちの振り返り記述の一部を紹介します。


「JAXAや産総研など日本の科学技術の最先端を間近で見ることができ視野が広がった。また2泊の宿泊を通して、高入・中入関係なく、たくさんのクラスメートと交流することができた。」


「三日間の全てが驚きと感動の連続で、飽きる瞬間が一度も無いくらい充実しすぎたツアーだったと思う。余韻が抜けない。中等部生にとっては入学以来、初めての県外旅行で、それも含めて心から楽しむことができた。特に印象に残ってるのは最終日の東大のキャンパス見学で、大学は高校とは比べ物にならないくらい広くて、自分の興味を追求する事ができる素敵な場所だと思った。他の大学の話でもよく聞く、キャンパス間の移動に時間がかかるというのがよく分かった。ひとつの町のようだった。志が高い2Dの皆と三日間楽しく勉強出来て嬉しかった。」


「大学受験から院や就職について、特に大学に行ったあとのその先が不明瞭だったが、今回のツアーの懇談会が道筋を立てるための良い機会になった。」


「実際に研究を行っている場所や大学を見ることで自分が将来どうなりたいかをしっかり考える機会が得られたと思う。東京大学や筑波大学は魅力がたくさんあって良いと思ったと同時に勉強をしなければという意識が高まったと思う。宇宙飛行士やAIの技術など今身近でないものに触れるのも刺激が得られてとてもいい体験だった。」


「進路についてもっとしっかり調べて考えないといけないなと思いました。卒業生の方々のお話を聞いて、大学についてとても関心を持ったので、積極的にオープンキャンパスや課外活動に参加したいと思います。また卒業生のみなさんとお話できる機会があったらうれしいです。」


「今回すべての経験から、新しい世界を知ることが出来ました。この3日間で経験したことは秋田では出会うことができなかったことで、興味の有無に関わらず、目の前に広がる新しい物事にたくさんの刺激を受けました。そしてまだまだ知らない世界が広がっていることを知り、これからの自分の未来に対する意識、進路意識を高めることができたと思います。」


「学校としても生徒としても初めてのアカデミックツアーは、事前にイメージしていた通り、自分の進路や興味がある学問について深く考えるための機会としてもとても良かったです。そして、個人的にはそれ以上に、クラスの仲間との関わりを深めるための最高の行事だったと思います。新たな友人を作るという面だけでなく、特に中入生は、付き合いが長いが故に分かった気になってしまっていた相手と深く語らい見つめ直したことで、新たな一面を発見したり、中等部時代からの成長を感じることができたりしたと思います。今の時期は、高1の頃よりもさらに複雑で沢山の課題に追われ、勉強もそれ以外も悩みの絶えない日々に精神的にしんどかった人も多いと思うので、学校を出て、さらに秋田も抜け出して、全く違う土地で同じ仲間と、学校ではできない体験を沢山したことは、身体的な大変さは残るにしても、忙しい日常は一旦忘れて今を楽しむヒーリング的なツアーにもなったと感じました。できることなら1週間くらい続いてほしかったですが、このツアーを体験できた私たちなら、また始まる忙しい日々も、この3日間の思い出と収穫を原動力に、今までより少し『頑張ろう』と思えるのではないかなと期待しています。」


「自分は、これまでなかなか志望校が決まらなくて、今回のツアー(特にGSOの方々との懇談会)を通してずっと揺らいでたのがもっと揺らいだんですけど、“別に行きたいところがないからいいや”っていう以前の『揺らいでる』から、“この大学もいいな”、“これ学びたいな”の選択肢が増えた『揺らいでる』になって、その考え方の成長が自分でも嬉しかったです。」


「バスの席替えのおかげで、普段はなかなか話す機会がない友達とも、長い時間、相談事や将来の話をし、自分を見つめ直したり互いに励ましあったりすることができました。また、ホテルでの就寝前の時間にも、普段のように次の日の小テストのことや予習のことなどは何も気にせず、ただただ沢山おしゃべりができたので、ますますみんなとの心の距離が縮まった気がします。さらに、遅刻や大きなトラブルもなくスムーズにツアーが進んでいたり、JAXAの方が私たちの反応の大きさを褒めてくださったりと、全体を通しても学術探究コースの一員として、嬉しく誇らしいことが沢山あったので良かったです。」


「GSOとの懇談会では、佐々木さんと話しているうちに、神のような存在だった東大生も同じ人間だと知り、GSOの方々に追いつくために、本気で勉強して、高みを目指していきたいという気持ちが倍増しました。また、早稲田大学の方と話して、進路がより現実的なものになりました。」


「先輩方からは、お話を聞くだけでなく、アドバイスや励ましの言葉をたくさん頂けて自信につながった。南高の先輩とこうして交流できてとても嬉しかった。また、中等部のときからずっと憧れていた先輩に直接英語弁論のことを質問でき、アドバイスもいただくことができて、ものすごく勉強になった。貴重な体験を本当にありがとうございました。」


「GSOの先輩方は、それぞれが夢中になれることを持っていて、とてもかっこいいと思った。大学生活について知らないことが多かったので、見通しを持つことができてよかった。受験勉強のやり方や今頑張らなければいけないことについて詳しく知ることができたし、大学生活について知らないことが多かったので、見通しを持つことができたのもよかった。受験勉強や今頑張らなければいけないことについて詳しく知ることができて良い経験になった。」


「学探の発表で見たことがあった先輩や、合格体験を聴く会でお話を聞いたことがあった先輩が沢山いらっしゃったので、その皆さんの、高校生から大学生になってからの顔つきや話し方の変化をそれぞれ感じられたのが、とても印象深かったです。今回、大学生活の大変さなども感じられるようなお話も伺って、改めて、大学合格はゴールではなくスタートなのだということに気付かされました。」


「懇談会がとても楽しかった。大学の話ももちろんだけど、休学して武者修行する人の話などいろんな大学生ライフがあるのだと知れて、視野が広がった気がする。大学進学後の選択肢はたくさんあるんだなあと思うことが出来た。」


「今回、ツアーで2つ大学を見て、また新たな自分の興味に出会った気がする。もちろんこれまでの志望してきた大学にも興味はあるが、今回新しく見た大学のように気になる大学も存在するので、もっと夏休みに調べていく必要があると思う。」


「東大を見学したことで、大学のイメージを明確に掴むことができました。また、東大への憧れも高まりました。それとともに、受験が一年半後にあるという事実も再実感し、勉強への意識が増しました。」


「今回のツアーは、自由に見学できる部分が多く、きちんと学習しながらも、友人との仲も深められるよい機会であったと思う。また、JAXAや国土地理院など、探究ということを抜きにしても、一人の人間としての自分の大きな体験的な学びになったと思う。行くことができてとても良かった。」


「参加してよかったと心から思えるツアーでした。友人とも仲を深められたと思うし、世界的に有名な取組を行っていたり貴重な歴史物を所蔵していたりする施設を見学することができてとても充実していた。感染症や豪雨など、様々な制約や困難があったけれどそれに対応し開催してくださった先生方に感謝したい。」



初めてのアカデミックツアーは、生徒たちにとって、気付きと学びの多い、充実したツアーになったようです。

実施にあたり、ご協力くださった皆様、誠にありがとうございました。








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