秋田南 Global Studies Program を開催しました。
夏休み中の7月31日(月)~8月4日(金)の5日間、本校大教室を会場に、「秋田南グローバル・スタディーズ・プログラム(秋田南GSP)」を実施しました。
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このプログラムは、海外出身の大学院生らを講師に、彼らとともに行う活動を通して、新しい価値観・異文化への理解力を深め、グローバル感覚を培うとともに、グローバルリーダーとしての資質・能力を育むことをねらいとして行うものです。昨年度の「秋田南エンパワーメントプログラム」の内容を一部変更したものになります。
プログラムは、グループリーダーを務める海外の留学生たちとのディスカッションを中心としたグループワークから構成されています。使用言語はすべて英語で、「Self-Discovery Challenge」に取り組む英語漬けの5日間です。
残念ながら事情により欠席となった生徒もおりましたが、中等部3年生から高校3年生まで、25名の生徒が参加しました。
今回グループリーダーを務めてくださったのは、国内外の大学・大学院に通う5名の皆さんです。
それぞれカナダ(2名)・ヨルダン・モンゴル・マラウィなど、様々な国の出身の方々です。
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また、全体のファシリテーターを務めてくださったのは、フィリピン出身のリアンナ先生。
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多様な地域からの講師の皆さんとの活動を通して、英語を学ぶことは世界中の方々とコミュニケーションできるようになるのだということを、生徒たちも改めて実感していました。
生徒たちは、初日こそ緊張しているようでしたが、ファシリテーターのリアンナ先生や留学生の明るさや、ミニゲームなどを取り入れた楽しいプログラムのおかげで、すぐに打ち解けて、楽しみながらプログラムを進めていました。
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グループリーダーたちは、British Columbia University や早稲田大学などで学ぶ現役の学生・留学生。
彼らの向学心や、自身の夢を語る姿勢なども、生徒たちには大きな刺激となっています。彼らが自身のキャリアについてスピーチする場面など、生徒たちは真剣に耳を傾け、グローバルなマインドセットをもって他国で学んでいる留学生たちの考え方に触れ、たくさんのことを学び取っていたようです。
休み時間や終了後の時間には、自ら英語で話しかけて、大学での学びや海外での生活について質問するなど、交流を深める生徒の姿も多く見られました。
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プログラム中のグループワークでは、さまざまなトピックについてディスカッションしました。
「無意識のバイアス」や「コミュニティの良さや課題」、「自己理解・自己表現」などのトピックは、英語でなくても難しい部分もありますが、リアンナ先生やグループリーダーたちからの “Mistakes are OK!” というメッセージに勇気づけられ、思い切って自分の考えを言葉に出していきます。
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そして、本プログラムでは、ディスカッションした内容について、グループでまとめ、プレゼンテーションする機会が頻繁にあります。
演劇仕立てにしたり、ポスターやTシャツをデザインしたりと、さまざまな形で、自分たちの考えを表現します。
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一人一人が持っている考え方やものの見方についてグループで話し合ったり、自分自身を表現したりする中で、お互いの違いに気付くとともに、互いの個性の尊重の大切さや、協働する喜びを学びました。
そして、最終日。
5日間の成果を示すファイナルプレゼンテーション(スピーチ)の時間です。
「自分の持っている力」と、「その力をどのようにコミュニティに貢献するか」をテーマに、25名の生徒それぞれが、この5日間を通して自分自身と向き合って得た気付きを発表に盛り込みながら、元気よくスピーチすることができていました。
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そして、グループリーダー5人と一緒に、この5日間のプログラム全体の振り返りを行いました。
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リアンナ先生からの「初日を思い出してみて。自分が変わったと思う人は?」という問いには、全員が笑顔で手を挙げていました。
最後は、クロージングセレモニーにて、グループリーダーから修了証書が手渡されました。
5日間をともに過ごしたグループリーダーとの別れに、生徒もグループリーダーも思わず、涙があふれました。
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この5日間を通して、生徒たちは非常に前向きに、意欲的にプログラムに取り組んでいました。
中3から高3まで、異なる学年が混じり合ったグループ構成に、生徒たちもはじめは緊張していた様子でしたが、次第にメンバー同士のコミュニケーションも増し、中等部生と高校生が協働でプロジェクトに取り組んだり、高校生が中等部生にアドバイスしたりするなど、中高一貫教育校ならではの様子もうかがえました。
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リアンナ先生やグループリーダーたちから、最後に生徒たちに伝えられたメッセージは、
「Keep Learning!」でした。
生徒たちがこの経験を糧に、さらに大きくステップアップしていくことを願っています。
プログラム終了後の、生徒の振り返りの一部を紹介します。
「スピーチが終わり、達成感がすごかったです。暗記ができていないところが多くジェスチャーや感情を込められなかったのはとても悔しいですが、あっという間の5日間でほんとに楽しかったし、充実していました! また参加したいです。」(中3)
「最終スピーチでは、今まで5日間で学んできたことから気づいたり教えてもらったりした、自分の強みについて整理して、これからどのように生かせるのかを考えることが出来ました!みんなのスピーチを聞いて、レベルが高くて刺激をもらいました。自分のことをよく理解することは、お互いをリスペクトするうえでとても大切だとわかりました!貴重な5日間でした!参加してよかったです!」(高1)
「このプログラムでのいちばんの成長は、自分に自信を持てるようになったことと、間違いを恐れずにチャレンジできるようになったことです。初日は、Mistakes are OK ! と言われながらも、自分の言いたいことが伝わるのか、自分の理解が正しいのか、など、英語でコミュニケーションを取ることに大きな不安を感じていました。しかし、さまざまな活動を経て、最終日には、すべてを楽しむことができました。ディスカッションをしたり、協力して活動したりするとき、国の違いも年齢の違いも文化の違いも、何も関係ありませんでした。みんなの考えを知りたい、自分の考えを伝えたいという気持ちさえあれば私たちは誰とでも繋がることができると学びました。今回の経験をこれからもずっと忘れずに、大切にしていきたいです。このプログラムに参加できて本当に良かったと心から思います。」(高1)
「5日間、あっという間に終わってしまいました。最後のプレゼンテーションでは、自分の考えを伝えることがこんなにも大変で楽しいことだというのを知ることができました。緊張もしましたが、ジェスチャーや声の大きさを意識してしっかり発表できたと思います。他の人の発表もとても興味深くて、共感できる点もあったり、学ぶ点もあったりしました。最後のディスカッションでは、1日目よりも英語が上達して自分の意見を伝えられるようになったと思います。この経験は一生忘れません。この経験を活かして、これからも英語に触れてたくさん英語を使っていきたいです。」(高1)
「5日間の活動を振り返って、英語を耳で聞き取りできるだけ理解することと、発表することに対する姿勢とコツを身につけることができたと思います。こういう英語のプログラムに初めて参加して、最初は不安な方が大きかったのですが、日を重ねるごとに慣れてきてチームメンバーやグループリーダーに気軽に話しかけることができるようになりました。発表することも話すことも苦手だったのですが、今回のプログラムで少し克服できたかなと思います。自分にとって本当に良い経験になったと感じました。」(高1)
「最後の課題としてスピーチ発表があり、練習では自分が学探などで学んだイントネーションや表情の付け方を、班のメンバーにアドバイスできた。最後の発表では、上手く話すことではなく、相手に伝えることを一番に考えて発表することを意識した。今回のプログラムで、自分が頭で英文を考えてから話していることに気づけたし、英語以外にも自己認識や表現などの人生で大切な要素を学べた。自分の英語に自信がつき、もっと上達したいと思えた。班のメンバーもみんなが一緒に成長していこうという気持ちが分かり、グループリーダーも私たちが言い詰まっている時にずっと待っていてくれ、理解しようとしてくれて、本当に良いグループだった。5日間ずっと英語で過ごしたことは将来にも生かされる経験だと思うし、グループワークやディスカッションで得た、自分や周りの人、物事に対する新しい視点や発見は、これからの自分の考え方に大きな影響を与えてくれた。」(高3)
「このグローバル・スタディーズ・プログラムに参加して本当に良かったと心から思っています。プログラム中、どんなアクティビティや発表においても、緊張したりネガティブ思考に陥ったりすることがなく、全部前向きに取り組むことができました。GSPに参加できて、英会話の成長はもちろん、誰かを尊重し広い心で受け入れること、異文化の国について知りたいという世界への興味、失敗を恐れない豪胆さなど、精神的な成長も遂げることができたと思います。GSPでまた一回り大きく成長した自分を、日々の学習や対人関係、自身のモチベーションに繋げていきたいです。最高に充実した5日間でした。楽しかったです!!」(高2)
「5日間がとても早く感じるほど、楽しかったです。プレゼンもしっかりできたし、最後のディスカッションも積極的に話すことができました。これからも、このような学習プログラムに積極的に参加したいです。そして、たくさんの人と交流していきたいと思います。楽しかったです。企画してくださり、ありがとうございました。」(高1)
「この5日間で、自分から積極的に英語で話し掛けられるようになりました。どう伝えれば良いか分からず、パニックになってしまった時もあったけど、会話を繋げることができて良かったです。今回の活動は自信にもつながりました。みんなフレンドリーな人たちで、しっかり自分の話を聞いてくれて安心して話すことができました。最初は不安だったけれど、楽しく活動したり、新しい友達ができたりして、楽しむことができて良かったです。初めてこのようなプログラムに参加しましたが、もっと早く参加すれば良かったな、と思います。秋田でこんなに楽しいプログラムに参加できて良かったです。この思い出は一生忘れないと思います。」(高1)
「今回のプログラムを通じて目標としていた、英語への苦手意識を薄めることができました。完璧ではない英語でも、みんなが会話をしようと向き合ってくれたことが自信につながりました。英語が話せるだけで、今までよりもはるかに世界が広がるんだろうなと感じました。テストで使うためだけではなく、人と人とをつなぐコミュニケーションツールとして英語を使っていきたいと思います。」(高1)
「1日目は“英語を学習する”ことが目的だと思って参加していたけれど、最終日には、英語は一つのコミュニケーションツールで、考えを伝えるための手段に過ぎず、真の目的はみんなの前で自分というものを発信することだとはっきりと分かりました。この経験を生かして、これからも恥ずかしがらず、自分の意見をどんどん伝えていきたいです。」(高1)
本プログラムを通して、生徒たちは自身の成長を強く実感することができ、将来に向けても意欲を高めることができたようです。
このたびのプログラムを主催・運営してくださった株式会社アイエスエイ様、グループリーダー・ファシリテーターの皆様、誠にありがとうございました。
また、今回のプログラム実施にあたっては、本校同窓会の皆様より多大なご支援をいただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
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