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  • 教育情報部

高1「国際探究」専門講座を実施しました。

6月6日(木)、高校1年生の総合的な探究の時間「国際探究」にて「専門講座」を行いました。


この専門講座は、SDGsの各分野で解決に向けて実践的に研究や取組を行っている専門家の方々を講師にお招きし、その活動や研究についての講話から、現在の地域や世界の課題や、その解決策について学ぶものです。   

 

今回は、5名の講師の方より講座を行っていただきました。生徒は自身の興味・関心に基づいて5講座から1つを選択して受講しました。

なお、今年度は中等部3年生も講座に参加しました。

 


講座1『流域の物質循環機能から陸の豊かさを考える』

秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科 教授 早川 敦 氏



講座2『アオコを用いた微生物燃料電池』

秋田大学大学院 理工学研究科 准教授 カビール ムハムドゥル 氏



講座3『社会問題・探究・デザイン ~まちづくりの現場より~』

一般社団法人ドチャベンチャーズ 代表理事・会長 柳沢 龍 氏




講座4『フードバンク活動について』

一般社団法人フードバンクあきた 代表理事 林 多実 氏



講座5『多様性の理想と現実』

秋田南GSO・東北大学経済学部2年



地域や世界の課題の解決に取り組んでいらっしゃる講師の方々から、具体的な取組についての話を聞くことで、SDGsが指摘する課題について、改めて理解を深めることができました。また、探究に必要な考え方や姿勢についても教えていただきました。

講話終了後は、生徒からたくさんの質問や感想が出ました。講師の先生方には、丁寧かつ熱心にご対応していただきました。




講座終了後の、生徒の振り返りの一部をご紹介します。

 

講座1

「今回の講座では、流域における物質循環や流域で起こる働きについて深く学ぶことができました。中でも、今まであまり考えたことのなかった窒素やリンの性質などに興味を持ちました。現在、窒素は増加傾向にあり、それが富栄養化や地球温暖化に繋がっていることや、リンはDNA、細胞膜など私達の身近な多くのものに含まれていることなど、あまり知らないだけで窒素やリンは人間の生活で重要視すべきものだと思いました。」

 

今回の講座では新しい視点から地球環境について考えることができました。馴染み深い秋田の土壌の研究結果をもとに、リンと窒素という二つの物質から環境サイクルの流れを知ることができ、地球で起こっている問題の全体ではなく、一部を具体的に掘り下げることで新しく得たことが多い貴重な講話でした。難しい部分も多く、分からないところもあったので、後でもらったプリントをもとに詳しく調べ、今後の展望に役立てたいです。

 


講座2

「再生可能エネルギーのデメリットに関しての質問があり、アオコの微生物燃料電池にも、アオコが継続的に取り続けられないというデメリットがあるのではないかと思ったが、それに対して、講師の先生が「何事にもデメリットはあるが、他で賄えばいい(太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー)。電気の世界は一本化しすぎたので、電気の世界でも多様性というのをもっと広めていくべきだ。」とおっしゃっていて、重要な視点を教えてもらった。ひとつの再生可能エネルギーに対しての良い点・悪い点だけに留めるのではなく、悪い点を他の良い点でカバーするという考え方は私の中でなかったので、良い発見になった。何事にも良い点・悪い点はあることはわかっていたけど、どう捉えるかによって感じ方は異なるということを学べた。」

 

「カビール ムハムドゥル先生の授業では アオコを用いた微生物燃料電池について詳しく話を聞くことができました。 アオコとは浮遊性の藻類が著しく増加することで湖水の変色する現象でした。 これは秋田県で問題視されていて特に浄水処理に障害を与えていることを知りました。 しかしこのアオコは今バイオマス発電として注目されています。 もしこれが成功すれば新たな再生可能エネルギーとして使えるということだったので興味を持ちたいです。」

 

 

講座3

講座3のまちづくりについてのお話を聞きました。先生は五城目町にお住まいで、昨年の豪雨や朝市のことを軸にしてお話していただきました。まちづくりと言っても、建設やインフラだけでないとのことでした。先生によると、町は学校と同じだそうです。学校の主役は校長先生、生徒、先生方など色々な考え方があるように、町の主役も町民や市長など色々であるというお話をされていました。私は、学校の主役は生徒で、町の主役は町民だと思いました。先生も私と同じような考えだったのですが、学校にしても町にしても一人ひとりが『自分が主役だ』という意識が高くないそうです。自分が所属している場所を更に良くするには、もっと問題点を自分のこととして捉えて、変えていこうという意識を持つことが大切だと感じました。地球全体の大きなことだけでなく、むしろ身近なことこそ、いろいろな現象に感情を持つことが大切だとわかりました。

 

 

講座4

「今回、フードバンクの具体的な目的、仕組みについて学びました。ただ、それ以上に国際的なことと身近なことを比較することでより視野が広くなることを理解しました。どんな探究活動をすることになっても国際的なことを身近なことに当てはめてみたり、身近なことを国際的なことに当てはめてみたりと学びを最大限に活かせるようにしていきたいです。」

 

フードバンクという活動をあまり知らなかったのでとても良い機会になりました。世界の貧困の食品援助量に対して日本の食品廃棄量の方が多いことを知り、とても驚きました。また、食品を寄付する人の中には賞味期限切れのものを寄付するような人もいると知りました。どんな考えであっても、食品を受け取った方の尊厳を傷つけるようなことはあってはならないと思います。そのため、ダブルチェックをするということが大切であると感じました。ただ寄付された食品を送り付けるのではなく、相手が必要としているもの、不足しているものを相談して送ることや、本当に助けを必要としている人に送ることができるようにヒアリングすることが重要だとわかりました。今回の講座を機に、世界の食料問題について考えたいと思いました

 

 

講座5

ジェンダー論の現実や男女平等の現実について、科学的根拠に基づいて学ぶことが出来ました。ジェンダーを教育に取り入れてしまうことで誤解を招き、性別違和の錯覚を起こしてしまうこともあることを初めて知りました。多様性を上手に社会に取り入れることは難しいが、生物学的な男女に区別するだけでなくトランスジェンダーというくくりを作ることで、多様性な社会へ少し現実的になっていくのではないかと考えられました。

 

今回の講座で多様性について奥深いところまで知ることができてとてもいい経験になりました。講義中は理解することで精一杯だったけれど、改めて資料などを見返してみると、改めてただジェンダー平等と一言で表すことの難しさを感じました。世間の一般論とは違う講師の方のデータを用いた客観的な考えを聞いて、新たな発見があり、自分の今までの考えが覆されたなと感じた部分も多くありました。そしてそれと同時に、共通の価値観だと思っていた意見や考えを本当にそうなのか、無意識のうちに押し付けられたものではないか、疑って自分で考えることが大切だと感じました。今回のお話の中であった『正しい知識を得ることは大切だけどそれを誰からいつ学ぶべきなのか』という課題については、私たちにとっても身近だと思ったので深く考えてみたいです。

 


講師の皆様、誠にありがとうございました。



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