高1「国際探究」研究概論講座を行いました。
6月27日(木)、高校1年生の総合的な探究の時間「国際探究」において、「研究概論講座」を行いました。
今後の国際探究の活動では、生徒が自分たちで研究テーマを定め、グループを編成しての研究やフィールドワークに取り組むことになっています。そこで、「研究とはどのようなものか」、「研究の進め方」、「研究の心がまえ」について、秋田県立大学生物資源科学部学部長・教授 中沢伸重 先生をお招きし、講話をしていただきました。
研究について理解を深めるとともに、今後のグループでの探究活動の見通しをもつことがねらいです。
講座では、中沢先生の高校生の時から現在に至るまでの研究の軌跡と、研究テーマ等についてお話しがありました。
生徒たちは、興味深そうに聞き入り、研究について理解を深めることができました。
講話終了後は、生徒からの質問が出ました。中沢先生には、丁寧かつ熱心にご対応していただきました。
生徒による振り返りの一部を紹介します。
「今回の講座を通して何事にも挑戦することの大切さを知りました。中沢先生は国語が苦手だったが、研究者になるために論文をたくさん読んで国語を克服したと仰っていました。苦手なことでも挑戦し続けることは大切だと感じました。また、たくさんのことに興味をもって研究することは楽しいことということが分かりました。私はまだ夢は決まっていませんが興味のあることにどんどん挑戦し研究していきたいです。もし夢をもてた時は、その夢を持つ気持ちを大切にしていきたいです。」
「私は将来、研究職につきたいと考えていたのですが、実際に実現できるのか不安な気持ちがありました。ですが、中沢先生が『やりたいことをやったほうがいい』ということをおっしゃっていたので、自分のやりたいことを考えて将来をイメージしたいと思いました。自分の興味があることを突き詰めていけば高いレベルに行けると思ったので、どんどんチャレンジしていきたいと思います。」
「研究には、知力以外にも長期間の緻密な実験や考察に取り組める気力と体力が必要だと知りました。良い研究の要素として、実験・発表・論文すべてを網羅するべきであり、筋道を立てて文章を作る国語力も大切だと感じたので、克服し伸ばしていきたいです。誰も扱ったことのないテーマを探し自分だけの結果や考察をまとめるのは難しいことだと思いますが、自分なりの答えを見つけ出せたらうれしいです。」
「今回の講座を振り返って、私が考えたことはおもに2つあります。
一つ目は、将来何をするかは実際よくわからないということです。中沢先生は高校のときは生物は面白くないと言っていましたが、社会人になって酵母の遺伝子についての研究に没頭していて、私は最初の高校の話からは想像もできないことをしているなと感じました。私は将来文房具の開発をしようと今は考えていますが、将来どのような職業についてどの分野の学びを活かしているかはまだわかりません。なのでこれからの文理選択や大学の進学によって様々な分野、職業について知り、将来の自分の可能性を広げていきたいと思いました。
二つ目は、中沢先生が話した『大学は知識を暗記するところではなく、新しい知識を生み出すところ』という言葉についてです。私はこの言葉を聞くまで、大学でも高校と同じように知識を暗記して、レポートや研究などを進めるのだと思っていました。しかし、中沢先生の研究での原島先生の言葉『世界で君しかやっていないから、君が分からないと誰も分からないよ』という言葉や中沢先生の言葉から、大学の研究では自分が取り組んでいる研究を通して新しい事実や知識を生み出し、そのことを世界に伝えることなのではないかと考えました。この中沢先生の言葉を聞いて、大学に将来進学するのが更に楽しみになりました。」
「中沢先生が最後に仰っていた質疑応答での回答が印象深く残りました。まず『文理選択や大学への進路は職業と関係なく学んでみたい分野で決めた方が良い』ということについてです。自分は政治を学びたいのですが、それを生かした職業につかなければならないのかな、などと将来に悩んでいたのでとりあえず学びたいという意欲は大事にしようと思いました。また、『住めば都。どこに行きたいかだけで選ばず、自分がやりたいことがどこにあるかを考えてそこに辿り着く』ということについてです。自分は将来どこに住んでいて何の仕事をしているのだろうと考えることがよくあります。でも今日の話を聞いて、意外と人の縁に乗ったり、流れのままに乗ったりするのも重要なのかなと思いました。」
「お話の中で紹介いただいた『不思議だと思うことは科学の芽、よく観察して確かめ考えることが科学の茎、そうして最後に謎が解けるのが科学の花』という言葉が心に残りました。実験データと真摯に向き合い、これからの1年間で中身の濃い探究活動をしていきたいです。」
「今日の講座を通して最も心に残っていることは、中沢先生が『世界で君しかやっていないから、君が分からないと誰も分からないよ』 と先生に言われたときに鳥肌が立った、とおっしゃっていたことです。『世界で自分しかやっていない!』と胸を張って言える研究は、自分自身に自信を与えてくれるとともに、真の研究の“面白み”をより一層感じさせてくれるのだと思いました。また、研究には、気力・体力・知力が必要であると知り、なにかに打ち込み夢中になることや常に好奇心をもち様々な分野に触れること、そして時には自分なりの疑問をもちそれを積極的に解明しようとする前向きな姿勢をもつことが大切なのだと感じました。中沢先生が研究を『遊び』だと思えるほど楽しむことができた理由の一つに、それまでの先生の積み重ねや努力があると思います。日々の生活がこの先の探究活動や将来に活きるということを忘れず、今後も一日一日を大切にして努力していきたいです。」
生徒たちは、今回の講話で研究に関して理解を深めることができ、今後のグループ研究やフィールドワークに積極的に取り組む姿勢が身に付きました。
中沢先生、ありがとうございました。