令和3年度 高1「国際探究」成果発表会を行いました。
2月24日(木)、本校中等部体育館棟アリーナにて、高校1年生の「国際探究」成果発表会を行いました。
本校は、文部科学省スーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク参加校として、「総合的な探究の時間」において、全校生徒が「現代的諸課題の解決と学術の探究」を掲げ、探究活動に取り組んでいます。
特に高校1学年では、国際社会が掲げる、持続可能な開発目標(SDGs)に関わるグローバル課題について、自らテーマを設定し、主体的・協働的に解決に取り組むグループ探究活動を行っています。
4月から、SDGs入門講座や専門講座を通してグローバルな諸課題について学ぶとともに、探究スキル講座や研究概論講座、プレゼンテーションセミナーなどを行って、研究の方法や発表のスキルを学んできました。そして、県内外の企業や大学、研究機関等のご協力をいただいて、オンラインも交えながらフィールドワークを実施し、それぞれのテーマについて探究を深めてきました。
これらの活動を通して、生徒たちはグループの仲間たちと協力し合いながら、意欲的に探究活動に取り組んできました。そして、これまでの探究活動の集大成として、成果をプレゼンテーション発表しました。
午前中は、6教室に分かれ、すべてのグループが発表を行いました。
各グループとも、自分たちが取り上げたテーマについて、その課題に注目するに至った経緯や、問題の背景などを説明しながら、自分たちなりに考えた解決策を提案する発表を行いました。特に、フィールドワークで学んだ事柄をきっかけに探究活動が進んだ様子がうかがえました。
また、各教室では学術探究コース2年生の先輩たちも発表を参観しました。
そして、質疑応答にも参加し、先輩として助言をしてくれました。これまでの経験を活かした鋭い指摘や、今後につながるアドバイスをもらいました。
午後からは、中等部体育館棟アリーナにて、代表グループがステージ発表を行いました。
今年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、保護者や関係者の方の参観は後日のオンライン参観のみとして、当日の参観者は本校生徒(高校1年生、中等部3年生)だけに制限して実施いたしました。
そのほか、高2学探コースの生徒や、すでに進路が決定している高3生徒など、先輩たちにも参観してもらいました。
アリーナのステージで発表を行ったのは、代表の8グループ。
司会進行も生徒自身が行いました。
司会を務めたのは、小熊ユミナさん(1C)と、長門啓貴さん(1F)。
審査員は、伊藤雅和校長先生、林克至先生(探究活動部副主任)、中村東先生(高3学術探究コース主担当)の3名が務めました。
発表グループと、タイトルは以下の通りです。
24班「FOR ME FOR YOU …」
1D飯尾月葉・1B須田風香・1D上田青空・1E大井ひかる・1E安達紗羅・1F進藤希美
10班「甘酒で栄養を!!」
1D佐々木爽斗・1B小野将・1D吉田小都子・1F庄司千夏・1G菊地日和
2班「Heart to Heart ~心の貧困を支える~」
1A櫻庭朱里・1B五十嵐怜南・1C髙橋野衣子・1D山正羽菜子・1G菅野百花
17班「映像を用いた途上国への教育支援」
1B佐藤一仁・1A永澤璃子・1D佐藤莉央・1E佐々木四季・1F三日田大和
41班「Mission 廃棄野菜を減らせ!」
1C佐川葵・1B斎藤真桜・1E金澤泰子・1G平野亜子
51班「プラスチックに喰われる鳥」
1D加藤那花・1B佐藤向日葵・1E佐藤希・1G加納匠人
31班「Clean Society by NH3 Power Generation」
1B奈良勇希・1B齊藤直紀・1C藤田南穂・1G小玉朔太郎
28班「木っ水(きっすい)の再生可能エネルギー」
1B佐藤時絃・1A伊藤瑠花・1B水澤広樹・1D大倉隆人・1G千葉幸範
各班とも、堂々としたプレゼンテーションを行い、研究成果を発表しました。
それぞれ、発表後には質疑応答を行い、互いの研究を深め合いました。
質疑では、同じ高校1年生だけではなく、先輩たちや、CSで理数系の探究活動を経験してきた中等部3年生からも積極的に手が上がりました。
ステージ発表終了後は、教室発表を行ったグループから選ばれた、優秀発表班の表彰を行いました。
教室発表における優秀班は以下のとおりです。
33班「秋田の観光産業を盛り上げる」
1D佐藤弥恵・1B木村高子・1G松本大翼
40班「コンポストを利用して豊かな食を届ける」
1C飯坂悠斗・1B浅野友那・1D佐々木穂乃・1G佐藤悠喜
11班「フードドライブ革命」
1B今野惺琶・1D佐藤弘徳・1E穴倉友理江・1F白川大翔・1G佐藤輝空
36班「フランスをモデルとした 日本で住み続けられる街づくり」
1F島﨑萌恵・1C磯崎咲菜・1D菅生琢巳・1G小松稜太
54班「虐待を受けている子供を減らすために ~今の私たちにできること~」
1A本田蘭・1G花田幸夢
49班「廃棄野菜で海の豊かさを守る!」
1F五十嵐快翔・1B伊藤彩乃・1C佐藤優衣莉・1D山田菜桜・1G二階堂陽依
最後は、閉会行事です。
審査員の林先生から、講評をいただきました。
そして、高校1学年主任の和田先生より、審査結果が発表されました。
代表グループの審査結果は以下の通りです。
最優秀賞 24班「FOR ME FOR YOU …」
優秀賞 31班「Clean Society by NH3 Power Generation」
第3位 41班「Mission 廃棄野菜を減らせ!」
最優秀賞を受賞した24班には、伊藤校長先生より賞状が授与されました。
参観いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
生徒の振り返りコメントの一部を紹介します。
【ステージ発表を終えて】
「長期間、真剣に取り組んできた探究を、中間発表の時より多くの人に発表できたことが嬉しかった。緊張して思うようにいかない部分もあったが、大勢の人の前で発表するという貴重な体験ができたことに感謝したい。また、発表の工夫は、他の班を参考にしたいところが沢山あった。来年も探究活動があるので、今回学んだことを実践し、自分の班の探究の面白さをもっと楽しく、わかりやすく伝えられるようにしたい!」
「いかに聞き手を納得させられるか、共感させられるかがプレゼンにおいて重要であり、伝える工夫をもっと模索していくことが大切だと思った。スライドだけがよくてもダメだし、話し手だけが優秀でも意味がないということに気づき、グループワークの楽しさと難しさがわかった、いい機会となった。」
「全く知らなかった人たちと仲良くなって、こんなに良いプレゼンができて、本当に嬉しかったです。この発表を通して、見やすい資料を作る技術、プレゼン力、まとめる力など、たくさん身につけて、学ぶことができたと感じています。来年は総合探究になりますが、今回学べたことを活かして発揮していければいいなと思っています。この発表をするにあたり、お世話になったたくさんの方々、先生に感謝申し上げます。」
「ステージの上でたくさんの人の前で発表する機会を頂けたことがすごく嬉しかった。なかなかプレゼンなどの経験をしたことがなかったのでどう上手く伝えればいいのかなど悪戦苦闘したが、仲間たちとの話し合いを通じてより良いものへと日々進化していく過程はすごく楽しかった。苦労した部分が多かった分、結果として入賞できたこと、報われたような気がして誇らしく思います。」
「ステージ発表を通して、今までにない貴重な経験をすることができました。課題の解決策を導く際に、自分たちの考えが妥当かどうか客観的視するのに自信がありませんでした。そのため、プレゼンセミナーのときには、最初、講師の方から自分たちの考えやスライドを否定されたような気持ちになってしまってましたが、後々考えると、自分たちが見ないようにしていた弱点を見つけてくださったのだと感じました。あのアドバイスがなかったら発表を練り直すことができなかったと思います。本当に感謝しています。国際探究の時間を通して、発表するときのマナーや、協力する大切さを実感することができました。投げ出したくなるときもあったけれど、最後は楽しかったと思える、充実した時間を過ごすことができました。」
「どの班もさまざまな資料から得た事実を元に自分達の考えを具体的に提案していて、とても良いと思いました。レインボーグッズを実際に身につけたり、タイトルを工夫したり、2年生になってからの総探、学探に役立てられそうなことをたくさん得ることができて良かったです。ただの調べ学習ではなく、探究にすることが出来るよう、ひとつ解決したら次の課題を自分で見つけられるようになると良いと思います。」
「アリーナ発表班はさすがにとても深い探究だと思った。聞き手を引き付けるような話し方、わかりやすい説明の仕方など、きちんと備えて発表しているなと思った。また、校内の生徒にアンケートを取っているなど、探究をより深められていると感じた。」
【教室発表を終えて】
「SDGsは世界で行われていることなので、「解決する」といっても規模が大きすぎてどう結論づけるか、とても悩みました。自分達のテーマも含めて色々な課題への解決策を考えたり、新しく学んだりして理解が深まったので、自分が社会の担い手になった時により良い社会づくりに生かせるように、これからもっと探究を深めていきたいです。」
「世界の様々な問題について考える中で、一つだけに絞って考えるのではなく、様々な視点から考えることの大切さを感じた。特に、世界規模の問題でも自分たちでもできそうなことから考えている班が多く、聞き手にも分かりやすく表現することができていたと思う。これからは、“実際にやってみて確証をもつ”ことに気をつけて活動していきたい。」
「この国際探究の活動がなければ、こんなにSDGsについて考える機会がなかったかもしれないので、とてもいい機会になった。今回の活動で得た、食品ロスや資源の再利用、ジェンダー平等についての知識を大切にしたい。」
「各グループとも、それぞれの課題について具体的な改善案を積極的に提案していて、とても感心した。他のSDGsのテーマについて広く新しい知識を得ることができたので良かった。先輩方からの鋭い質問や、私達のためになるアドバイスもとても貴重なものだったので、2年生の探究にも生かしていきたいと思った。」
「今日の成果発表会を終えて、ステージ発表班の人達と他の班の人達の発表の仕方にいくつかの違いがあることに気づきました。スライドの見やすさ、身振り手振りを使った説明、声の抑揚の付け方などです。自分たちの班にはなかった工夫が多数あり、国際探究の活動は終わってしまったけど、これからの生活で人に分かりやすく物事を伝えていく力が大切になってくると思うので、見習いたいです。」
「どの班もそこに存在するものや長所を取り上げ、それをどうやって活用していくかを考えていて、とてもおもしろかった。また、斬新なアイディアだけでなくコストや立地問題などの現実性も含まれていて、組み合わせればより良いものができるのではないかと思った。特にコオロギクッキーの案を挙げていた班は、斬新でとてもいいと思った。海外の取組や数値をとりあげている班が多かった。私達の班は、グラフで海外との数値を比較しただけだったが、家事労働に関する他国の取り組みを調べてみても面白そうだと思った。」
「今回、成果発表をしてみて、中間発表の反省を生かして、より良い発表ができた。学探コースの先輩が、鋭い視点での質問や自身の体験を踏まえた意見や感想を述べていて、自分自身もこうなりたいと思い、いい刺激になった。少しでも、先輩方に近づいておけるように、様々な視点で物事が考えられるようにしたいと思った。今回のこの経験を来年の探究にも活かしていきたいと思う。」
「今回、他の班の発表は自分たちとは違うテーマのものだったので、最初は理解できるか不安だったが、どの班も話に筋が通っていて分かりやすかった。それだけでなく、他の方の質問によってさらに理解が深まった。なんだか、自分たちの発表と、聴衆の質問が一つになることで完全なものになったような気がした。質疑応答によって理解が深まり、さらに相手が僕たちの回答に感化されたみたいで、嬉しかった。来年度からの発表でも自分が嬉しく思えるような発表をできたらと思う。」
「似ていることを探究しても、視点が違っていたり課題としている部分が違っていたりなどさまざまな探究活動を見ることができて、とてもいい経験ができたと思いました。初めて他クラスの人とグループを組むこととなり、初めのうちは初対面の人ばかりで不安しかなかったけれど、みんな積極的で一人一人がきちんと自分の仕事を認識して参加していたのでとてもやりやすかったです。ここまで来るのにたくさんの困難があったけれど、このメンバーだからこそ乗り越えることができて、最後はしっかりと終わることができたと思いました。」
「仲間と協力することの大切さと楽しさを学んだ。最初の頃は嫌われないようにと抑えめだったが、それでは良いものは生まれないと思い、段々と自分の意見をはっきりと言うようになった。自分の意見を言えるというのは探究活動だけでなく、学校生活においても必要なことだと思う。一人でやろうとしてもできないものだ。そんな時、手を差し伸べてくれる仲間がいてくれることが、こんなにも心強いものなのだなと感じた。仲間には感謝でいっぱいだ。今までの探究活動で得た力を、これからに活かしたい。」