「秋田南エンパワーメントプログラム」レポート(1日目)
夏休み中の8月7日(日)~10日(水)、本校中等部体育館棟大教室を会場に、4日間にわたって国際教育研修「秋田南エンパワーメントプログラム」を開催しました。
これから4回にわたって、プログラムの様子をレポートします。
このプログラムは、国内の大学に留学している外国人大学院生を講師に招き、英語でのグループワークやディスカッション、プレゼンテーションを通して、グローバルリーダーとしての資質・能力を育むことをねらいとしたものです。
今年度、創立60周年記念事業の一環として、本校同窓会の支援をいただきながら実施しました。
中等部3年生から高校3年生まで、42名の生徒が参加しました。
使用言語はすべて英語。英語漬けの4日間です。
初日は、オープニングセレモニーからスタート。
ファシリテーターのJason先生から、プログラムのゴールと、心構えが示されました。
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“English is Communication Tool.”
“Challenge Yourself.”
“Mistake is OK!”
“Be Friendly. Smile!”
そうです。このプログラムは、英語を学ぶことを目的としたものではありません。
英語はあくまでもコミュニケーションのためのツール。
英語が得意でないという生徒であっても、ミスを恐れず、前向きにチャレンジすることを目指します。そして、その活動を通して、視野を広げ、ポジティブな考え方をもって、自分自身の夢やゴールを考える機会とすることをねらいとしています。
生徒たちは、中高の校種や学年を交えた7つのグループに分かれて活動しました。
それぞれのグループには、グループリーダーとして外国人留学生が1名ずつ入ります。
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グループリーダーたちは、ポーランド、スリランカ、フィリピン、ケニア、ナイジェリア、セネガル、エジプトなど、多様な地域から集まっています。
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さまざまなバックグラウンドをもちながら、それぞれの夢や明確なビジョンをもって来日し、東京大学や筑波大学、横浜国立大学、国連大学など日本の大学の大学院で学んでいる留学生たちです。
最初は生徒たちの表情も緊張でいっぱい。
まずはアイスブレーキングとして、自己紹介を兼ねて、出会った相手に、自分のことを英語で伝え合います。
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続いて、グループアクティビティ。
グループごとに、チームの名前と、チームロゴを決めます。
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そして、各グループでつくったチームネームとロゴを発表しました。
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各チームとも、これからのプログラムのゴールを踏まえて、前向きな名前とロゴをつくりました。
午後からは、英語での質問の仕方や、プレゼンテーションについて学びます。
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よりよいプレゼンテーションはどんなものか、ディスカッションしながら考えました。
続いて、グループリーダーの方々からのプレゼンテーション。
自分自身について、紹介してもらいました。
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日本の大学院に留学して、何を学んでいるのか、なぜそれを学ぶのか、将来はどう考えているのか。
力強く夢を語るグループリーダーたちの姿や、前向きかつひたむきな学びへの高い意識に、生徒たちは強い刺激を受けたようです。
そして、今度は生徒たちがプレゼンテーションを行う番。
ペアになって、他の生徒に自分自身について英語で伝え合う、ミニプレゼンを行いました。
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最後のアクティビティは、グループディスカッション。
テーマは、「ポジティブシンキング」について。
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グループリーダーを交えた、英語でのディスカッションを通して、ポジティブシンキングの重要性を学びました。
初日のプログラムはここで終了となりました。
参加した生徒たちは、一日中英語で過ごす経験にちょっと疲れた様子も見られましたが、プログラムの合間にグループリーダーたちと雑談を交わす生徒の姿もありました。
翌日からのプログラムも楽しみです。
初日の生徒の振り返りの一部を紹介します。
「初めは、本当に不安で緊張していました。でもリーダーや班の仲間のおかげで少しずつ慣れていき、わぁ楽しいと思える一日になりました。国によってそれぞれのアクセントがあり、聞き取りづらいと感じたこともありましたが、それも大変良い経験になりました。今日はまだ自信を持って発表することができなかったので、明日はもっと積極的に発表できたらなと思います。」
「自分の伝えたいことを英語に変換して、上手く相手に伝えることの難しさを知った。ボキャブラリーを増やすことが今後の課題だと思った。めげずに明日も頑張りたいです!!」
「つたない英語でも、まずは話そうとする姿勢を持ち続けることを心がけた。相槌や質問をすると会話が充実するのを感じて、楽しみながら参加できた。」
「実際にやってみるまでは、不安しかなく、とても緊張していました。外国の方と話すこと自体が初めての体験でしたが、思いの外自分の英語が伝わり嬉しかったです。難しい英単語や複雑な文法などのスキルを背伸びして使うよりも、今の自分の英語力で伝えようとすることが大切だと感じました。課題も沢山ありましたが、英語が本当に嫌いな自分が自主的に参加して、楽しく1日目の活動ができて嬉しかったです。」
「英語が理解出来るか不安でしたが、講師の方や留学生の方々が分かりやすい英語で説明してくださったのでコミュニケーションを積極的に楽しめました。普段の授業のように英語を学ぶ意識ではなくあくまでもツールとして活用するという意識を持つことで、間違いを恐れずに話せたと思います。」
「プログラム開始前や、開始してすぐはとても緊張していたし、不安だった。しかし、英語を正しく話すことに重点を置かずにとにかく伝えることができるように、全力で自分の意見を表現するようにすることを意識した。また、外国人の留学生と話すことができる機会はとても貴重だと思ったので最初の自己紹介ゲームから積極的に話しかけるようにした。不思議と、自分に「伝えたい」というしっかりとした意思があれば難なくコミュニケーションを取ることができ、すぐに緊張はほぐれた。正しく伝えることよりも、自分の意見、考えを恐れずに伝えてみることが大切なのだと気がついた。」
「休み時間などに自分から積極的に外国の方に質問したり話しかけたりできてとても面白かったです。残り3日も貴重な体験を楽しみたいです。」
「初対面の人に自分の性格や価値観を知ってもらうのはとても楽しいことだと思いました。また、他人の性格や価値観を知るのはさらに楽しいことだとも思いました。最初は英語が上手に使えるかとても不安だったけれど、いろいろなゲームやミッションをクリアしていくごとに、大事なのは英語を上手に使うことではなく、自分の考えを伝えようとすることだとわかりました。」
「最初は間違った英語を使わないようにとビクビクしていましたが、活動をしていく中でグループリーダーがフォローしてくれたり、グループの人同士で足りない部分を補ったりして、間違えてもいいから自分の意見をしっかり伝えようという考えに変わっていきました。グループで決めた”Barrier Breakers”という名前のように、自分の殻を破って活動したいです。」
「留学生の皆さんの明るさにとても元気をもらった。留学生の皆さん一人一人のプレゼンテーションがどれも個性があり、何より夢を語る時の表情がとても輝いていたように感じる。私も最終日のプレゼンをそのようなものにしたい。」