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教育情報部

令和6年度 高2学術探究コース アカデミックツアーを行いました。

8月1日(木)~3日(土)、高2学術探究コースの生徒40名が、アカデミックツアーとして、つくば市・東京2泊3日の研修旅行に行ってきました。

 

このツアーは、高度な研究を行う研究機関や、グローバル企業、大学などを訪問して、視野を広げ、探究活動に関して幅広い知見を得るとともに、将来の大学での学びや研究について考えを深めることを目的としたものです。昨年度に引き続き、2度目の開催となりました。

 

昨年度は全行程バスでの往復でしたが、今年は新幹線を利用しました。

8月1日の朝8時過ぎ、全員元気に秋田駅を出発しました。新幹線の車内では、隙間時間に問題集を広げる生徒の姿も。



初日の目的地は、つくば市。

研究学園都市として、数多くの研究機関があるところです。

大宮駅でバスに乗り換え、午後2時すぎにつくば市に到着しました。

 

まずは、国土地理院「地図と測量の科学館」を見学しました。

地図と測量に関する展示を行う日本で初めての施設です。館内には、巨大な日本列島空中散歩マップや、伊能忠敬「大日本沿海輿地全図」などの古地図が数多く展示されています。





生徒たちは地理の授業を思い出しつつ、楽しく見学しました。


続いて訪れたのは、筑波大学 筑波キャンパス。


ここでは、本校の卒業生たち、秋田南GSOのメンバーと合流しました。

 

彼らは秋田南GSO(Graduate Support Organization)のメンバー。平成29年度の卒業生(文部科学省SGH指定校の1期生)たちが自主的に立ち上げた、本校生徒の探究活動や進路について支援することを目的とした団体です。以後、毎年多くの卒業生たちが参加し、現在では100名以上がGSOに登録して、探究活動の講座講師や成果発表の審査員のほか、進路のサポートなどをしてくれています。

 

今回つくばにて集まってくれたのは、以下の先輩方。いずれも筑波大学在学中の皆さんです。


小山 杏奈さん(57期・人文・文化学群 比較文化学類4年)

中村 千鶴さん(57期・人間学群 教育学類4年)

佐藤 美咲さん(58期・人文・文化学群 人文学類3年)

伊藤 圭吾さん(58期・人文・文化学群 人文学類3年)

伊藤 幸陽さん(59期・社会学群 社会学類2年)

戸沢 周真さん(59期・人間学群 教育学類2年)



生徒との懇談会として、大学での学びや学生生活、高校時代の勉強法など、後輩たちに様々なアドバイスをしてくれました。





そして、3グループに分かれてのキャンパスツアー。

広大なキャンパスを、先輩たちが案内してくれました。




最後に、キャンパス中央の「石の広場」にて記念撮影。

先輩方、どうもありがとうございました。



この日は、筑波山にあるホテルに1泊。

眼下に広がる関東平野の眺望を楽しみながら、クラスの仲間との時間を満喫したようです。







2日目は、国内有数の研究機関である「産総研(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)」の展示施設を訪問しました。

産総研は、持続可能な社会の構築と「超スマート社会」の実現を目指して、「社会課題解決」と「産業競争力強化」をミッションとして、ベンチャー企業など産業界と連携しながら科学技術の研究開発を行っている研究機関です。


ここでは、主任研究員の小室淳史さんから、産総研でどのような研究が行われているかをお話しいただきました。


小室さんは秋田県のご出身。この春まで東京大学にお勤めで、昨年度は本校にも来校いただいてご講話いただきました。横手高校時代には陸上競技部に所属され、研究職に就かれた現在もトライアスロンで国体に出場するなど、文武両道でご活躍の方です。

 

高校時代の学習方法や、研究職に進まれた経緯など、生徒にとって大変参考になるお話ばかりでした。




そして、展示施設「サイエンス・スクエアつくば」、「地質標本館」を見学しました。

最新の科学技術や、貴重な鉱物標本や化石資料などに感嘆の声が上がっていました。








午後からは、一行を乗せたバスは東京へ向かいます。(GSOの戸沢さんも一緒です)


高速道路のサービスエリアで昼食をとりつつ、向かった先は、東京大学本郷キャンパス。

有名な赤門前で待っていたのは、今度は東京在住の秋田南GSOの皆さんです。

 

仲谷 杏太さん(58期・東京大学 文学部心理学科 3年)

下田 楓大さん(58期・東京大学 工学部精密工学科 3年)

菊地 まゆかさん(58期・慶應義塾大学 総合政策学部 2年)

細川 英佳さん(59期・東京大学 前期教養学部 文科三類 2年)

佐藤 一仁さん(60期・東京大学 前期教養学部 文科二類 1年)

佐藤 弘徳さん(60期・東京大学 前期教養学部 文科三類1年)


(ちなみに赤門は、今年もまだ補修工事中で閉まっていました。)

 

現役東大生の皆さんに、キャンパスを案内していただきました。





緑豊かなキャンパス内には、歴史と格調ある建築が建ち並びます。

35度を超える猛暑でしたが、最高学府といわれる東大キャンパスを満喫しました。


そして、工学部1号館へ。

 

1935年竣工のこの校舎は、建物自体が文化財といえる存在。格調ある雰囲気に少し緊張します。

そして、近年リノベーションされ、歴史と最新設備が調和する、円形の15号講義室へ。

まるで東大の授業を受けている気分になりました。



こちらでは、東京大学 メタバース工学部 特任専門員の青木 緑さんのコーディネートで、3名の工学部の現役学生・大学院生の方々から、研究内容についてお話を伺いました。

それぞれ、最新の研究についてお話しいただいたほか、東大での生活や授業などについても教えていただきました。



 

みなさん、とってもフレンドリー。難しい研究内容を、分かりやすく伝えてくださいました。

大学での研究や学びに強く興味が湧いた時間となりました。

 

 

そして夕方、ホテルに到着。


お待ちかねの秋田南GSOの皆さんとの懇談会です。

さらに3人の先輩も合流しました。

 

横澤 日菜さん(54期・米 Green River College → 東京外国語大学 言語文化学部英語科 4年)

原田 雄生さん(54期・米 DePauw University → 外資系投資銀行 勤務)

佐野 陽祐さん(58期・東北大学 法学部 3年)





同じ秋田南高校を卒業した先輩たちからは、高校時代の学習方法や、進路選択の際の考え方、今の大学での研究内容など、たくさんのことを教えていただきました。皆さん、親身になって相談にも乗ってくださり、また、同じ学術探究コースの先輩として、探究活動についてのアドバイスなどもしてくれました。







先輩たちとの話題は尽きることなく、あっという間に時間となってしまいました。

 

そして翌朝。

いよいよツアー最終日となりました。

しっかりと朝ご飯を食べて、一日のスタートです。





GSOの菊地まゆかさん、佐藤一仁さん、佐藤弘徳さんの3人の方々は、この日も引き続き参加してくれました。

 

 

向かった先は、丸紅株式会社の本社ビル。



皇居に隣接した立地の高層ビルで、社内の内装も洗練された雰囲気です。



秋田県出身の社員である、佐藤 喬さん、近藤陽介さんらが迎えてくださいました。


佐藤さんから、丸紅についてご説明いただいた後、お二人の高校時代の同級生である、伊藤 亘さん(金融業)、三浦航太さん(南米研究者)のお二人も交えて、社会人懇談会を行いました。



佐藤さんや三浦さんは、大学時代に、地方出身の学生を支援する学生団体を立ち上げ、秋田の高校生をサポートしてこられたご経験もあり、以前にも本校生徒にご講演や懇談会を行っていただいたことがあります。

今回、そうしたご縁から、社会人懇談会を行っていただきました。


 

そして、昨年度、本校に来校してご講演や出前授業「まるべにせんせいプログラム」を実施してくださった、菅井幸来さんも参加してくださいました。




久しぶりの再会です。


懇談会では、大学卒業後にそれぞれの職業を選んだ理由や経緯について、どのように考えたか、そしてそれをどのような行動に繋げたのか、具体的にお話しいただきました。生徒たちは、目の前にある大学受験だけではなく、その後のキャリア形成についてもじっくり考えるきっかけをいただくことができました。







そして、東京ソラマチにて昼食をとったのち、最後の訪問地、東京スカイツリーのすぐ近くに位置する、情報経営イノベーション専門職大学(iU)へ。

 

起業家育成をねらいとして、数多くの起業家・経営者が教員として、情報や経営学、グローバル教育について実践的な教育を行っている専門職大学です。

在学中の学生の起業率はなんと日本一とのこと。




昨年度のアカデミックツアーでも訪問予定でしたが、昨年は突然の水害のため急遽予定変更となり訪問できませんでした。

このたび、一年越しに訪問することができました。

  

今回、学部長の阿部川久広先生から、アントレプレナーシップ(起業家精神)についての模擬授業を行っていただきました。


授業では、起業家に必要な素養について、グループで議論しながら考えました。







阿部川先生は、Apple Inc.やCNNにもお務めだったというご経歴の持ち主。

スティーブ・ジョブスのスピーチを題材として、英語を交えながら、起業家に求められる素養について一緒に考えました。



生徒たちは、授業を通して、起業家に必要な素養だけではなく、これからの社会に求められる資質・能力について学びました。

キャンパス見学も行わせていただき、たくさんの学びをいただくことができました。

 

そして、以上でツアーの全日程は終了。

名残惜しい気持ちを抱えつつも、新幹線へ。

 

全員元気に秋田に帰ってきました。


生徒たちは、3日間のツアーを通して、多くの人と出会い、様々なことを体験することができました。

たくさんの学びと気付きを得て、充実した表情とともに、今年度のアカデミックツアーは終了しました。

 

 

 

ツアー終了後に生徒が書いた振り返り記述の一部を掲載します。

 

・最高峰と呼ばれる大学を回ったり、そこで学んでいる先輩方の生の声を聞いたりし、「自分も頑張りたい!」と強く感じさせてくれました。刺激的でとても楽しかったです。

 

・今まで科学などの分野に苦手意識を持っていましたが、友人と展示を回りながら研究などに対し話をしていくうちに、興味を持ち、新たな好奇心を育むことができました。

 

・最初はどこの施設もあまり興味がなかったけど、実際に行ってみると、自分の知らない新しい世界が広がっていてとても面白かったです。大学の印象がそれぞれ全く違っていて、どの大学も個性がはっきりとでていて、見学していてとても楽しかったです。

 

・サイエンス・スクエアで、オープンキャンパスで見た研究と似たような展示や、初めてみる興味深い展示などとても勉強になりました。特にsongleというサイトに興味をもったので、もう少し詳しく調べてみようと思います。

 

・キャンパスツアーがとても興味深く、自分がその大学にいる様子を想像出来た。

 

・自分の志望大学である筑波大学に直接行くことができて、モチベーションが大きく向上した。先輩方からも実体験を聞くことができたので、自分の受験やその後の生活の参考にしていきたい。

 

・実際に大学のキャンパスを見学して大学を身近に感じたことで、より自分の卒業後の姿をイメージし、意識を高めることができた。また、GSOの方のお話を聞いて、自分がこれからどのように学習し、生活を送っていけばよいのかを明確にし、目標を定めることができた。

 

・南高卒業生にはこんな頼もしい先輩がいるんだと心強く感じました。

 

・実際に大学で学んでいる先輩や会社で働いている先輩をみて、本当に多種多様な進路があることが分かったし、楽しそうな先輩たちをみて、自分のしたいことができているということにとても憧れを感じた。さまざまな能力をもった先輩たちと会って、学びに対するモチベーションがあがったし、自分もこういう風になりたいという意識が強くなった。

 

・GSOの方々との懇談会で、自分が悩んでいること、改善の仕方を学ぶことが出来ました。また、丸紅の本社の方々のお話では、海外に行って学んだことや進路の決め方についてと学びが多くありました。進路は考えてはいますが、まだまだそれに届くような成績・時間の使い方では無いので、考えて行動していきます。

 

・先輩方の話を聞き、ハイレベルな環境で大学生活を送りたいと感じ、モチベーションが上がり進路意識を高めることができました。得意科目である英語の力をもっと伸ばす方法についてアドバイスをもらい、より点数源になれるよう毎日頑張っていきたいと思うようになりました。

 

・GSOの皆様方本当にかっこよすぎます。私もあんなふうに、かっこいい大人になっていきたいと決意するとともに、色々諸々やらなければならない事に向き合う覚悟が出来ました。

 

・私は初対面の人と話すのが得意ではなく、アカデミックツアーの中でも懇談会が一番不安でした。しかし、GSOの方々がとても話しやすく、質問にも真摯に対応してくださり、私が知りたかったことをたくさん質問して聞くことができました。特に、大学の生活面で気になっていたバイトや家賃のことなどを細かく知ることができて良かったです。中には奨学金や仕送りに頼らず、親の扶養も外れるくらいにバイトで稼いで、生活費も学費もすべて自分で賄っているGSOの方がいて、本当に驚いたし尊敬しました。今回得られた情報を親とも共有して話し合ってみます。勉強方法について伺えたのももちろんですが、勉強面以外の海外のことや友人関係のことなども知ることができて本当に自分のためになりました。

 

・GSOの方々の話し方などから凄く視野が広いのが伝わってきて、私もこれから様々な経験を通して人間的に成長し、幸せな人生を素敵な人々とともに送れたらなと思いました。そして私もいつかはGSOとして、今回の先輩方のように後輩へためになる話をたくさん伝えられたらいいなと思います。

 

・皆さん多種多様で、勉強に対する向き合い方など多くのことを学べた。特に東大の工学部の方とは非常に良い議論をすることができてよかった。

 

・東大の工学部の先輩のお話を聞いたときに、先輩が「自分は天才じゃないので勉強は死ぬ気で頑張りました」と言っていたのが心に残っています。私の中で東大生は天性の才能98%に2%の努力が実って合格した人というイメージがあったのですが、実際には努力するという才能や、努力を努力と思わない才能がとてつもなくある人であったということを知りました。

 

・医療系への進学を考えていて、医学部からどのように進もうかということしか考えていませんでした。でも、東大工学部の方のお話を聞いて、医療工学というのにも少し興味を持ちました。医師になったら一人の目の前の患者の命しか救えないけど、医療工学で技術を進歩させればたくさんの人を救えるというのが私にすごく響きました。新しい道を考えるきっかけにもなった気がします。

 

・丸紅のオフィスがとても綺麗でセキュリティも頑丈でワクワクしたので、将来ここで働いてみたいと思いました。前回南高に来てくださったときも含めて会社員の方々もすごくフレンドリーで親しみやすい方々だったのでまたお話できればいいなと思いました。

 

・社会人があまりにも輝いていた。自分もあのような人たちになる。


・研究者として働いている方や社会人との懇談会、iUでの模擬授業を受けてみて、勉強はもちろん、大学やその後の将来についてのモチベーションがすごく高まった。学術探究コースに入って、このツアーに参加することができて本当に良かったと思う。

 

・クラスの仲の良さがより深まったように感じて嬉しかった。初めはあまり興味がなくても実際にみてみると意外におもしろかった、というものが多くて体験することの大切さを知った。新しいことに挑戦することはわくわくするけれど疲れるので、2泊3日という比較的長い期間こういう体験ができたのは、自分のメンタルの体力を向上させるのにも役に立ったので良かったと思う。

 

・自分の興味のあることも聞けて、友達とも色々と話ができ、仲を深められて勉強のモチベーションがとても上がった。

 

・グループでの活動を通して、普段の学探での話合いの場では気づくことのできなかったメンバーの良さを知ることができました。

 

・朝早く起きると、その日の一日のスケジュールを見通しやすくなり、メリハリのある生活を送ることができると思った。自分の将来にはある程度見通しを持っているつもりだが、勉強をするのはもちろん様々な種類の人と関わることや、趣味を持つことなどで自分の見聞を広めておくことが未来の自分にどれだけの恩恵をもたらすのかを感じることが出来た。

 

・ものの見方が大きく変わり、広い視野から物を見ることができるようになりました。自分の進路についてもう一度考えることができた良い機会でした。一番感じたことはたくさん勉強しなければいけないということです。今はとっても学習意欲が高いのでこれをキープして夏の勉強頑張ろうと思います。

 

・進路や将来のことを今までは少ない情報や知識の中だけで考えていましたが、今回のツアーでさまざまな施設を訪問したり、多くの方々からお話を伺ったりすることができて、自分だけでは気が付かなかった選択肢を得ることができました。また、その分迷いも生じてきましたが、そこから自分で選び抜く進路は、きっと納得のいくものになると思います。

 

・自分の知らない世界を自分から知りに行くこと、挑戦することが今の自分には特に必要だと思いました。今回の学びは、振り返って実践して初めて自分のものになると思うので、しっかり記録を残して活かしていきます。とても充実した3日間になりました。貴重な機会を作っていただきありがとうございました。

 

・3日間、本当にあっという間で楽しくて夢のようでした。3日間お世話になったすべての方々に本当に感謝です。南高に入学して、学術探究コースに入って、このメンバーと同じクラスになれて、本当に良かったです。これからもクラスのみんなと力を合わせ、残りの高校生活を楽しんで何事も全力で、大学受験も乗り越えていきます!

 

 

 

生徒たちの記述から、3日間のツアーを通して、大きく成長したことが感じられました。

 

ツアー実施にあたり、大学や社会人の方々のほか、後輩のために駆けつけてくれた秋田南GSOの先輩方など、たくさんの方々にお世話になりました。多くの方々に支えられ、素晴らしいツアーにすることができました。

 

サポートいただいた皆様、本当にありがとうございました。







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